「リプロダクト品が消滅の危機?」

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イームズ・チェア

  リプロダクトという言葉、ご存知ですか? 直訳すれば再生産品、特に名作デザインと 言われている家具類の
再生産品をここでは取り上げたいと思います。

とりわけ著名なのは当記事のイメージ画像でも使用していますアメリカを代表するデザイナーである
チャールズ・イームズ作イームズチェアやフランスの建築家ル・コルビジェ作のLC-2ソファー等が代表的なものになります。

もちろん、これ以外にもたくさんありますが特に日本国内においてはこの2大巨匠の 作品が現在も人気です。
再生産品とは著作権や意匠権が切れたものを安価に製造販売 されたものを指します。
判り易い他の事例を上げればジェネリック医薬品の工業製品版 のようなものです。

特許が切れた医薬品は製造し低価格で販売するすることが可能になります。
何故なら特許使用料を払わずに製造できるからです。
これと同様に意匠権が切れた 著名デザイナーの作品が安価で提供できるのです。  

 


TIPS/シート素材について

もちろん正規品と異なり、リプロダクト品の生産メーカーは1社ではなく 複数ありクォリティにも、ばらつきがあるので
注意が必要です。 また微妙にサイズや部品のデイテールが異なることもあります。

例えばソファーなどはオリジナルは本皮革なのにリプロダクト品はほとんどPVC(塩ビ)製や PU(ポリウレタン)等の
合成皮革が多いですが、これは絶対に止めた方がいいです。

何故なら、これら合成皮革は必ず経年変化(数年)で使っていると表面がボロボロになり きっと後悔することになるでしょう。

合成皮革は本物の皮革とは異なります。あくまで人工的に皮革に見えるフェイク品です。
よってソファーならばいくら安いからと言っても同じリプロダクト品でも多少は値が張りますが
本皮革製のものを選択すべきです。

クッションカバーが交換できるタイプになっていればまだ妥協できますがリプロダクト品で そうしたタイプは
まずありません。 購入の際はこうした細かな注意が必要です。

 


それでも安価なものだと正規品の数分の1程度で販売されているリプロダクト品の破格の安さは魅力です。

名作と言われる家具が部屋の中にひとつあるだけで室内の雰囲気は変わります。
だからこそ未だにこれらの人気が衰えないのでしょう。
でも、ここでタイトルにこれらが危機とあることの意味ですが、それは意外や意外、現在 日本とアメリカが中心となって
交渉真只中のTPP(環太平洋経済連携協定)交渉の中身にあります。

それはアメリカが知的財産権分野において著作権の保護期間の延長をこの交渉の中で 主張しているのです。
それも創作から70年という長期です。
上記のデザイナー、チャールズ・イームズの名作が生まれたのは1950年代です。

仮にこれが適用され70年間も著作権があるとすると2020年以降もこの権利が及ぶことを意味し、
今あるイームズチェアのリプロダクト品は存在できないことになります。

そもそも家具に著作権があるか否かという議論はあるのですが美術館に所蔵されている名作 デザイン家具だと著作物と
扱われる可能性もありそうで何ともグレーゾーンだと思います。

事実、家具に著作権があると裁判で結果がでた判例もあります。
いづれにしましても、TPP交渉の行方が今後もとても気になるところです。

TPPの合意文書内容の抜粋を下記に掲載しておきます。

TPPの合意文書内容の抜粋(2015年10月6日現在)
第18章 知的財産の主な規定内容 著作権 著作権に関しては次のルール等が規定されている。

・著作物(映画を含む)、実演又はレコードの保護期間を以下の通りとする。
①自然人の生存期間から計算の場合は、著作者の生存期間及び著作者の死から少なくとも70年
②上記で計算されない場合には、次のいずれかの期間 (i) 当該著作物、実演又はレコードの権利者の許諾から最初の
公表年の終わりから少なくとも70年 (ii)一定期間内に権利者の許諾を得た公表が行われない場合には、
当該著作物、実演又はレコードの創作の年の 終わりから少なくとも70年 ・故意による商業的規模の著作物の
違法複製等を非親告罪とする。

ただし、市場における原著作物等の収益性に大きな影響を与えない場合はこの限りではない。

・著作権等の侵害について、法定損害賠償制度又は追加的損害賠償制度を設ける。(抜粋)  

 

追加情報 2017年1月20日、アメリカ大統領がトランプ氏に変わり、早速TPP完全離脱を表明した為、 日本とアメリカの
TPPは流れてしまいました。

しかし下記に書きましたが著作権に関してイギリスで大きな変化がありました。
リ・プロダクト製品の消滅に関して心配していたことが、なんとTPPではなくEUで起こりました。

2016年7月28日にイギリス政府が家具デザインに意匠権ではなく著作権を適用するという法律を制定しました。

これは既に法律が制定した事実の報告です。
これにより意匠権の保護期間である25年間が過ぎても、著作権の保護期間である「制作者の死後70年 間」が
適用されることになりました。

例えばリ・プロダクト製品の代表的デザイナーであるイームズ夫妻の場合、 夫の方は1978年に亡くなっていますから
意匠権は既に切れていますが新しい法律では、著作権による保護が死後 70年後の2048年まで続くことになるため、
レプリカの製造ができなくなります。

イームズ夫人は1988年に亡くなっているため、著作権保護期間が2058年まで続くことになります。

この法律はEUも追従することからEU全土で意匠権と著作権の扱いが変更されることになります。
法律が適用されるまでに6カ月間の移行期間が用意されていて移行期間は2017年1月末日で終了予定です。
レプリカを販売しているメーカーは販売を中止するなどの措置に迫られています。

参考元/http://gigazine.net/news/20160809-eu-expand-copyright-furniture/      

 

今回ご紹介したリプロダクト家具の中で名作と言われ、今だに国内で人気のあるものを 下記にピックアップしてみました。

いづれも楽天またはAmazonからご購入できます。 正規品の約1/6〜1/10程度で入手できます。  



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